特別管理産業廃棄物の処理方法|分類や処分の手順までわかりやすく解説!
特別管理産業廃棄物とは、爆発性や毒性、感染性などがあり、人の健康や生活環境に被害を与えるおそれのある産業廃棄物です。
今回は、特別管理産業廃棄物の処理方法や分類、処分手順についてわかりやすく解説します。
また、処理時に注意すべきポイントや管理責任者の役割なども紹介しますので、廃棄物処理の担当者や企業の方にお役立てください。
▼この記事でわかること
・特別管理産業廃棄物の処理方法
・特別管理産業廃棄物の分類と処分基準
・注意点や管理責任者の役割
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特別管理産業廃棄物とは
特別管理産業廃棄物とは、廃棄物処理法で定められた、爆発性、毒性、感染性など、人の健康や生活環境に被害を及ぼす可能性のある産業廃棄物です。
通常の産業廃棄物よりも厳しい規制のもと、適切に処理しなければなりません。
廃棄物処理法では、「爆発性、毒性、感染性その他の人の健康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがある性状を有する廃棄物」を特別管理一般廃棄物及び特別管理産業廃棄物(以下、「特別管理廃棄物」という。)として規定し、必要な処理基準を設け、通常の廃棄物よりも厳しい規制を行っています。
引用元:特別管理廃棄物規制の概要|環境省
例えば、医療機関などから排出される使用済みの注射針、血液が付着したガーゼ、患者の体液などが該当します。
特別管理廃棄物の処理には、専門的な知識と技術が必要です。
特別管理産業廃棄物は、その危険性から通常の産業廃棄物とは異なる特別な管理が必要で、保管場所や運搬方法、処理方法などが厳しく定められています。
特別管理産業廃棄物の処理方法
特別管理産業廃棄物の処理方法は、大きく分けて以下の2つがあります。
▼特別管理産業廃棄物の処理方法
・業者に依頼する場合
・自社で処分する場合
業者に依頼する場合
特別管理産業廃棄物の処理を専門業者に依頼する場合は、許可業者かどうかを確認しましょう。
業者に依頼する場合、特別管理産業廃棄物収集運搬業者と、特別管理産業廃棄物処分業者の双方と契約を結ぶ必要があります。
特別管理産業廃棄物収集運搬業者とは、特別管理産業廃棄物を収集し、適切な場所へ運搬する業者です。
特別管理産業廃棄物処分業者は、収集された特別管理産業廃棄物を適切に処理する業者です。
業者を探す際には、優良産廃処理業者に認定された業者を選ぶと良いでしょう。
通常の許可基準よりも厳しい基準に適合した優良な産廃処理業者を、都道府県・政令市が審査して認定する制度です。平成22年度の廃棄物処理法改正に基づいて創設され※、改正法の施行日である平成23年4月1日より運用開始しました。
引用元:優良産廃処理業者認定制度|環境省
業者が決まったら、マニフェストを交付します。
マニフェストは、廃棄物の種類、数量、発生元、処理の流れ、最終処分先などを詳細に記録した伝票で、廃棄物が適切に処理されているかを追跡するための重要な手段です。
業者に廃棄物を引き渡す際には、必ずマニフェストの交付を行い、控えを保管しましょう。
自社で処分する場合
自社で処分する場合は、特別管理産業廃棄物収集運搬業者と、特別管理産業廃棄物処分業者の許可を取得する必要があります。
特別管理産業廃棄物の運搬には専門知識が必要であり、産業廃棄物が飛散したり、流出しないよう工夫しなければなりません。
また、処理には専門的な知識や技術が必要となるため、人員の確保や教育が必要となります。さらに、処理に伴う責任は自社が負う点にも注意が必要です。
特別管理産業廃棄物の分類
特別管理産業廃棄物とは、廃棄物処理法で定められた、爆発性、毒性、感染性など、人の健康や生活環境に被害を及ぼす可能性のある産業廃棄物です。
その性質と状態によって細かく分類されます。主な分類は以下の通りです。
▼特別管理産業廃棄物の分類
・廃酸
・廃油
・廃アルカリ
・特定有害産業廃棄物
・感染性産業廃棄物
廃酸
廃酸は、強い酸性を示す廃棄物です。環境省の基準では「著しい腐食性を有するpH2.0以下の廃酸」と定義されています。
皮膚や粘膜に炎症を起こしたり、金属を腐食させたりする危険性があります。また、環境中に放出されると、水質汚染や土壌汚染を引き起こす可能性があるため注意が必要です。
廃酸の処理方法は、その種類や濃度、そして他の有害物質が混合されているかによって適切な方法を選択する必要があります。
廃油
廃油は、引火性が高く、火災の原因となる可能性があります。また、水質汚染や土壌汚染の原因となる場合もあるため、適切に処理する必要があります。
環境省の基準では「揮発油類、灯油類、軽油類(難燃性のタールピッチ類等を除く)」と定義されています。
工場や自動車整備工場など、さまざまな場所で廃油は発生し、鉱物油、動植物油など多岐に渡ります。
廃油を不適切に処理すると、火災や環境汚染のリスクが高まるため、法律で定められた基準に従った処理が重要です。
廃アルカリ
廃アルカリは、強いアルカリ性を示す廃棄物です。皮膚や粘膜に炎症を起こしたり、金属を腐食させたりする危険性があります。
環境省の基準では「著しい腐食性を有するpH12.5以上の廃アルカリ」と定義されています。
廃アルカリは、工場や研究所などで、洗浄や中和などの工程での発生が多く、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどが挙げられます。
環境中に放出されると、水質汚染や土壌汚染を引き起こす可能性があるため注意が必要です。
廃アルカリの処理を誤ると、人体や環境に深刻な影響を与える可能性があるため、適切に処理しましょう。
特定有害産業廃棄物
特定有害産業廃棄物は、特に毒性や有害性が高く、人の健康や生活環境に深刻な被害を及ぼす可能性のある廃棄物です。
PCB、水銀、ヒ素、六価クロムなどの物質が含まれており、発がん性、神経障害、環境ホルモン作用など、様々な健康被害を引き起こす可能性があります。
環境省の基準では以下の表のように定義されています。
区分 | 主な分類 | 概要 |
特 定 有 害 産 業 廃 棄 物 | 廃PCB等 | 廃PCB及びPCBを含む廃油 |
PCB汚染物 | PCBが染みこんだ汚泥、PCBが塗布され、又は染みこんだ紙くず、PCBが染みこんだ木くず若しくは繊維くず、PCBが付着し、又は封入されたプラスチック類若しくは金属くず、PCBが付着した陶磁器くず若しくはがれき類 | |
PCB処理物 | 廃PCB等又はPCB汚染物を処分するために処理したものでPCBを含むもの | |
廃水銀等 | ①特定の施設において生じた廃水銀等 ②水銀若しくはその化合物が含まれている産業廃棄物又は水銀使用製品が産業廃棄物となったものから回収した廃水銀 | |
指定下水汚泥 | 下水道法施行令第13条の4の規定により指定された汚泥 | |
鉱さい | 重金属等を一定濃度を超えて含むもの | |
廃石綿等 | 石綿建材除去事業に係るもの又は大気汚染防止法の特定粉じん発生施設が設置されている事業場から生じたもので飛散するおそれのあるもの | |
燃え殻 | 重金属等、ダイオキシン類を一定濃度を超えて含むもの | |
ばいじん | 重金属等、1,4-ジオキサン、ダイオキシン類を一定濃度を超えて含むもの | |
廃油 | 有機塩素化合物等、1,4-ジオキサンを含むもの | |
汚泥、廃酸又は廃アルカリ | 重金属等、PCB、有機塩素化合物等、農薬等、1,4-ジオキサン、ダイオキシン類を一定濃度を超えて含むもの |
引用元:特別管理廃棄物規制の概要|環境省
特定有害産業廃棄物の処理は、廃棄物の種類や性状、含有される有害物質の種類や濃度などを考慮して、適切な方法を選択する必要があります。
厳重な管理体制が必要となり、専門的な知識と技術を持つ業者への委託が一般的です。
感染性産業廃棄物
感染性産業廃棄物は、感染性病原体を含む可能性のある廃棄物です。感染症を引き起こす可能性があるため、適切に処理する必要があります。
環境省の基準では「医療機関等から排出される産業廃棄物であって、感染性病原体が含まれ若しくは付着しているおそれのあるもの」と定義されています。
医療機関や動物病院などで発生する医療廃棄物が代表的な例であり、使用済みの注射針、血液、臓器など、さまざまなものが含まれます。
特別管理産業廃棄物における3つの注意点
ここからは、特別管理産業廃棄物における3つの注意点を説明します。
▼特別管理産業廃棄物における3つの注意点
・「特別産業廃棄物責任者」の設置が義務付けられている
・事業者によっては電子マニフェスト運用が義務化されている
・保管・運搬基準がある
「特別産業廃棄物責任者」の設置が義務付けられている
特別管理産業廃棄物を排出する事業者は、事業所ごとに「特別管理産業廃棄物管理責任者」の設置が法律で義務付けられています。
廃棄物の処理及び清掃に関する法律で規定されているもので、違反した場合には罰則が科せられる可能性もあります。
8 その事業活動に伴い特別管理産業廃棄物を生ずる事業場を設置している事業者は、当該事業場ごとに、当該事業場に係る当該特別管理産業廃棄物の処理に関する業務を適切に行わせるため、特別管理産業廃棄物管理責任者を置かなければならない。ただし、自ら特別管理産業廃棄物管理責任者となる事業場については、この限りでない。
9 前項の特別管理産業廃棄物管理責任者は、環境省令で定める資格を有する者でなければならない。
責任者は、廃棄物処理法や関係法令に関する知識を有し、事業場における特別管理産業廃棄物の処理に関する業務を統括する役割を担います。
事業者によっては電子マニフェスト運用が義務化されている
マニフェスト制度とは、産業廃棄物の排出から最終処分までの一連の流れを、排出事業者、収集運搬業者、処分業者の間でマニフェストを用いて管理する制度です。
マニフェスト制度において、一定規模以上の事業者は、電子マニフェストシステムの利用が義務付けられています。
電子マニフェストシステムを利用すれば、マニフェストの発行、交付、処理状況の確認などが効率的に行えるようになり、事務処理の負担軽減や、処理状況の透明性向上に繋がります。
保管・運搬基準がある
特別管理産業廃棄物は、適切な保管方法や運搬方法が定められています。
例えば、廃酸や廃アルカリは、腐食性があるため、金属製の容器に保管できません。漏れ防止のため、専用の容器を使用し、保管場所も床面がコンクリートなど、腐食しにくい材質で造られている必要があります。
特別管理産業廃棄物の保管・運搬に関する基準は、廃棄物の処理及び清掃に関する法律や関係法令で定められています。
具体的な基準は、廃棄物の種類や性状によって異なるため、事前の確認が重要です。
特別管理産業廃棄物管理責任者とは
特別管理産業廃棄物管理責任者は、事業場において特別管理産業廃棄物の処理を適正に行うために選任されます。
ここからは、特別管理産業廃棄物管理責任者について詳しく説明します。
特別管理産業廃棄物管理責任者の資格
特別管理産業廃棄物管理責任者の資格は、感染性産業廃棄物を扱うかそれ以外の特別管理産業廃棄物を扱うかによって異なります。
廃棄物の処理及び清掃に関する法律では、以下のように定められています。
<感染性産業廃棄物を扱う場合>
- 医師・歯科医師・薬剤師・獣医師・保健師・助産師・看護師・臨床検査技師・衛生検査技師または歯科衛生士
- 2年以上、環境衛生指導員の職にあった者
- 大学や高等専門学校において、医学・薬学・保健学・衛生学もしくは獣医学の課程を修めて卒業した者。または、これと同等以上の知識を有すると認められる者
<感染性産業廃棄物以外を扱う場合>
資格・学歴 | 課程 | 修了した科目・学科 | 廃棄物の処理に関する技術上の実務経験 |
環境衛生指導員 | – | – | 2年以上 |
大学 | 理学・薬学・工学・農学 | 衛生工学・化学工学 | 2年以上 |
理学・薬学・工学・農学に相当する課程 | 衛生工学・化学工学以外 | 3年以上 | |
短期大学・高等専門学校 | 理学・薬学・工学・農学 | 衛生工学・化学工学 | 4年以上 |
理学・薬学・工学・農学に相当する課程 | 衛生工学・化学工学以外 | 5年以上 | |
高等学校・旧制中学校 | – | 土木科・化学科に相当する学科 | 6年以上 |
– | 理学・農学・工学に関する科目、これらに相当する科目 | 7年以上 | |
(学歴要件なし) | 10年以上 | ||
イからチまでと同等以上の知識を有すると認められる者 |
引用元:特別管理廃棄物規制の概要|環境省
このように、厳しい条件のもと特別管理産業廃棄物管理責任者の資格が与えられるのです。
特別管理産業廃棄物管理責任者の役割
特別管理産業廃棄物管理責任者は、事業場において特別管理産業廃棄物の処理を適切に行うための役割を担っています。
具体的には、まず、事業場から排出される特別管理産業廃棄物の種類、量などを把握し、それらに基づいて年間の処理計画を策定します。
廃棄物の保管方法、処理方法、委託先の選定、処理費用、マニフェスト管理、緊急時の対応など、処理に関するあらゆる事項が含まれます。
また、特別管理産業廃棄物の処理に関する記録を作成し、保管します。具体的には、廃棄物の排出量、処理状況、マニフェストの交付状況などを記録します。
適正な処理を証明する重要な証拠となるため、正確かつ詳細に記録し、法令で定められた期間、適切に保管する必要があります。
特別管理産業廃棄物の処分基準
特別管理産業廃棄物の処分は、環境保護と人々の健康を守る上で極めて重要です。ここからは、特別管理産業廃棄物の処分基準について説明します。
▼特別管理産業廃棄物の処分基準
・保管基準
・中間処理基準
・委託基準
・収集運搬基準
保管基準
特別管理産業廃棄物を保管する際には、その性質と状態に応じた適切な方法を採用しなければなりません。
廃棄物から発生する可能性のある危険性を最小限に抑え、人や環境への悪影響を防ぐためです。
保管方法を誤ると、廃棄物の漏えいや飛散、火災、爆発などの事故に繋がる可能性があり、周辺環境や人々の健康に深刻な被害をもたらす可能性もあります。
保管基準は、廃棄物の種類や性状によって細かく規定されています。例えば、廃酸や廃アルカリは、腐食性があるため、金属製の容器に保管できません。
また、感染性産業廃棄物は、他の廃棄物と区別して保管し、外部への漏れ防止対策を講じる必要があります。
このように、保管場所や保管期限、環境保護のために保管基準が制定されています。
中間処理基準
中間処理とは、最終処分を行う前に、廃棄物の量を減らしたり、性質や状態を変化させたりする処理です。
特別管理産業廃棄物の中間処理は、最終処分場の負担を軽減し、環境への影響を最小限にするために重要な役割を果たします。
中間処理の方法は、廃棄物の種類や性質と状態によって異なります。
例えば、廃酸や廃アルカリは中和処理を行い、感染性産業廃棄物は滅菌処理を行う必要があります。
また、特定有害産業廃棄物は、無害化処理や安定化処理など、高度な技術を用いた処理が必要となる場合もあります。
委託基準
特別管理産業廃棄物の処理を他の事業者に委託する場合には、廃棄物処理法で定められた委託基準を遵守する必要があります。
委託基準は、廃棄物の適正な処理を確保し、環境汚染や不法投棄を防止するために設けられています。
委託基準では、委託先の選定、委託契約の内容、マニフェストの管理方法などについて、詳細な規定が設けられています。
例えば、委託先は、廃棄物処理法に基づく許可を有する業者でなければなりません。
また、委託契約書には、処理方法、処理費用、処理期間、マニフェストの管理方法など、重要な事項を明確に記載する必要があります。
収集運搬基準
特別管理産業廃棄物を収集運搬する際には、廃棄物の種類や性状に応じて、適切な収集運搬方法を選択する必要があります。
運搬中の廃棄物の飛散や漏えい、火災、爆発などの事故を防ぎ、人や環境への被害を防止するためです。
収集運搬基準は、廃棄物の種類や性質と状態によって、使用する車両、積載方法、運搬経路、緊急時の対応などについて詳細な規定を設けています。
例えば、廃酸や廃アルカリは、漏えい防止対策を講じた上で、専用の車両で運搬する必要があります。
また、運搬する廃棄物の種類や量、運搬先などを記録し、監視機関に報告する必要があります。
事業ゴミの相談なら D S P
D S P は、ダンボール・古紙、産業廃棄物など多くのごみ処理の問題を解決してきた実績とノウハウを持つ企業です。
日々のゴミ箱に入れる紙ごみや、飲食店の残飯など「事業系一般廃棄物」、事業活動に伴い生じる20種類の「産業廃棄物」や病院から出る注射針など「特別管理産業廃棄物」など事業ゴミ全般の回収を行っています。
事業ゴミについてお困りの方は、ぜひ D S P にご相談ください。
まとめ
今回の記事では、特別管理産業廃棄物の処理方法や分類、処分手順についてわかりやすく解説しました。
特別管理産業廃棄物の処理は、環境保護の観点からも、企業の社会的責任の観点からも非常に重要です。
特別管理産業廃棄物の処理に関する法令や手続きは複雑であり、専門的な知識が必要となる場合もあります。
事業ごみの処理に困ったら、専門の処理業者に依頼すると良いでしょう。事業ゴミについてお困りの方は、ぜひDSPにご相談ください。