【第45回】海藻が地球温暖化を解決する?栄養素も豊富で万能な食材!
湿度が低くなり乾燥する季節になってきましたね。
風邪を引かないように気を付けていきましょう。
さて、私たち人間は日々、二酸化炭素を排出しながら生活し、それが地球温暖化の原因の一つであると言われています。 そんな状態でありながら、二酸化炭素を吸収する役割がある森林は、人による伐採や火災によって、失われ続けています。
しかし「海の中の森林」が温暖化対策として非常に効果的だ、という研究に注目が集まっています。
その「海の中の森林」と言われる存在が海藻です。
海藻は、成長も早く二酸化炭素を効率よく吸収する、という特徴があり、さらに海の酸性化や酸素濃度の低下なども緩和し、水中の生物多様性や人間の食料まで確保する役割があります。 その効果は、世界中の海藻が育つ海域のたった0.001%で大型の海藻を栽培して、海中に沈めてしまえば、世界の水産養殖業から排出される炭素をすべて相殺できるほどだ、と言われるほどと言われています。
アメリカには海藻を栽培するために適した海岸線がありますが、実はそれほど積極的に海藻の栽培は行われず、ほとんどが日本や中国などのアジアで行われています。
なぜなら、欧米ではあまり生の海藻を食べる習慣がないからなのだとか。
当然のように食べていますが、世界的に見れば実は珍しいようです。
また、英語では海藻を「Seaweed(シーウィード)」と言い、これは直訳すると海の雑草という意味になり、欧米の人にはあまりいい印象ではない言葉のようです。 しかし、最近ではヘルシー志向が強くなったことから、欧米でも海藻を食材として使われることが増え「Sea Vegetable(シーベジタブル)」と呼ばれることも多いそうです。
海藻の美味しさが広まれば、栽培の範囲が広がり、温暖化防止に貢献できるに違いありません。ぜひ積極的に海藻を食べてみましょう。
また、最近、注目されている海藻と言えるのが、アカモクです。
ワカメや昆布と比較しても多くのミネラルや食物繊維、ポリフェノールを含み、フコキサンチンによる脂肪燃焼作用、フコイダンによって免疫力を高め、がんの抑制にも効果があると研究されているのです。
日本食人気が海外で高まっているため、ワカメは味噌汁で食べることができますし、昆布はおでんや出汁で味わうことができるため、そこから普及して地球温暖化防止にも貢献していきましょう。